ディンプルキーはなぜ防犯性が高い?

ディンプルキーはなぜ防犯性が高い?

賃貸で引っ越すとき、家を買う時、防犯性をアピールするために「この家はディンプルキーがついているんですよ~」と宣伝されたことはありませんか?

また、日本の住宅で新しく建てられた建物ならディンプルキーが最初から付いています。(※海外の特殊な鍵の場合もあります) このディンプルキーの、具体的な防犯性の高さはどのような部分にあるかを詳しく説明していきましょう。

鍵穴が超絶技巧・複雑怪奇!

鍵穴の中には、鍵の形と合うようにピン(タンブラー)が並んでいます。

正確には説明できないのですが、並んでいるすべてのピンの境目が揃うと鍵穴が回ります。ピンの長さは鍵穴ごとに違うため、違う鍵をさしてみても境目が揃いません。

なので開ける事ができません。ピンがかんぬきの役割となるよくできた仕組みですが、紀元前2000年ごろの鍵にこの構造をもつエジプト錠があります。古くからあるこの仕組みが改良に改良をかさねてディンプルキーとなるのですね。

ピッキングが不可能と言われる理由は?

よくドラマで見るような針金、ピッキングで開けられる鍵は、このピンの列が1列、または2列で、工具の侵入を許す簡単な鍵です。

その様な鍵を今は玄関の鍵として使うことはなく、部屋の鍵や机の鍵、倉庫の鍵などの防犯性がそこまで必要ない場所に付けるでしょう。

今ではほとんどの家庭でディンプルキーが使われています。ディンプルキーがなぜピッキングが不可能と言われるかについてですが、まずピンの列から違います。

簡単な鍵は、上の列・下の列の2列にピンがあり、よく見るギザギザの鍵がそれにあたります。プロはピッキング工具を使い、上の列・下の列にあるピンを一つ一つ抑えながら鍵の動きを感じ取り、ガチャリと開けてしまうのです。

ですがディンプルキーではまずそれが困難となります。原因は、主なディンプルキーのピンの列は3列あり、すべてのピンを合わせようとしても工具が鍵穴に入りきらないこと。その次に、アンチピッキングピンと言ってその名の通りピッキングが出来ないピンを装備していること。普通に鍵を挿し込んだ時と違い、工具でピンを合わせると角度が出ます。角度がある不審な工具の侵入ではピンが引っ掛かって押し上げることが出来ないようになっています。

工具の侵入を阻止する頑丈な鍵穴

ディンプルキーはピッキングに強いほか、工具の侵入を防いでドリル攻撃にも強い鍵があります。このドリル耐性はすべての鍵穴にある性能ではありません。

鍵穴破壊に強いドリリング攻撃を防ぐといった表記のある鍵には、鍵穴に工具が侵入しないよう焼入網製のセクションピン、ドリリング防止板が内蔵されています。

まとめ

ピッキングだけに強いディンプルキーよりも高価にはなりますが、鍵をなくさなければ10年に1回交換するかしないかの鍵ですので、せっかくならドリルに強いディンプルキーを選びたいですね。

またディンプルキーは防犯性だけではなくて、使ってみるとわかるその操作のしやすさも強みになります。ディンプルキーは分厚くて頑丈、鍵が折れることは滅多にないでしょう。

鍵穴の複雑さは鍵の表面に刻まれた穴で対応できるので、ギザギザの鍵のように細く薄くなることはなく、また鍵の向きもないリバーシブルキーです。

防犯性を上げたい、鍵を交換する機会が出来た時にはぜひディンプルキーをオススメしたいですね。